SCHOOL PRINCIPAL MESSAGE 本文へジャンプ

平成29年度[2017年度]

1学期始業式 校長講話

「北里柴三郎」

「恩義に報いる。」自分が受けた恩を返すことを言う。北里柴三郎は福沢諭吉から受けた恩を、晩年になって慶応大学医学部を創設し後輩の育成にあたり発展に尽力するという形で報いた。しかも生涯無給で。

優秀でありながら、「権威」に対し物を申していたが故に恵まれない研究者であった彼に、私財を投じ研究所を作り研究の場を提供してくれた人物が福沢である。

懸命に努力する姿を誰かは見ていてくれて応援してくれる。そこで受けた恩は何かしらの形で返すことは必要だと思う。まずは一生懸命になることからだ。きっかけは過去の偉人の功績を本で読むことからはじめてみてはどうだろうか。


平成29年度[2017年度]

1学期終業式 校長講話

「世の中捨てたもんじゃない」

三十年前、高校教員になって初めての学校での出来事である。ある病気を抱えた生徒が入学時の健康診断後の質問の最中に「こんな学校辞めてやる!」と大声を上げて机をひっくり返し、学校を飛び出し家に帰ってしまったことがあった。そんな彼女を追いかけ、声をかけた生徒がいた。「学校を辞めてどうやって社会で生きていくのか」「その病気は治るのか」…必死に呼び止める彼女の声が届いたのか、その後友人として共に過ごし、クラスの仲間の助けもあってその生徒は無事に卒業することができた。

時は過ぎ、彼女は結婚し、妊娠した。産むべきかどうか悩む彼女に、友人は「病気が遺伝したらあなたが生きてきたように育てればいい。健常で産まれたら神様に感謝しなさい。だから産むべきだ」と伝えた。友人の言葉に勇気をもらった彼女は出産する。結果、子どもは健常で産まれ、その次に産まれた子も健常だった。

世の中は捨てたもんじゃない。困っていれば誰かが必ず助けてくれる。困った時は「声を上げる」、「サインを出す」等をしてほしい。友人、仲間、家族、先生…誰かが必ず助けてくれる。そして、助けてもらったら、今度は困っている人に手を差し伸べてほしい。

本当の友達は困った時に来てくれる人だ。そういう人をたくさん作ってもらいたい。

平成29年度[2017年度]

2学期始業式 校長講話

「出光佐三」

作家百田尚樹さんの小説『海賊とよばれた男』のモデルになった人物である出光興産の創業者出光佐三。日本人としての生き方を企業経営の中で終始貫いていた。戦後の混乱期にあっても社員をリストラしない、タンカー事故で亡くなった社員の遺族を終生面倒見るなど。裁判でイギリスと戦い、勝利できたのも日本人としての生き方を貫いていたからなのかもしれない。出光興産創業100周年のときには「日本人にかえれ」という彼の言葉が新聞広告に掲載された。

何かを成し遂げた人の言葉や行動は注目に値する。それにどれだけ出合い、受け止め、自分のものにしていけるか。感度を高めて、2学期も日々がんばってもらいたい。

平成29年度[2017年度]

2学期終業式 校長講話

「アリストテレス」

4人の天才を表す言葉に「AGNE」というものがある。人物の名前の頭文字をとったものであるが、その中の一人アリストテレスは、今学んでいるほとんどの教科の基礎を作った人物である。そんな彼の言葉にはこんなものが残されている。「垣根は相手が作っているのではなく、自分が作っている」、「幸せかどうかは自分しだい」

時代をいくつ超えても共感できる言葉がある。自分の考え方1つで世界の見え方が変わる。今年を締めくくり、新たな年のスタートを切るに当たってアリストテレスの言葉をどれか1つ、胸にとどめておいてもいいかもしれない。

平成29年度[2017年度]

3学期始業式 校長講話

「ガリレオ・ガリレイ」

不遇の死を遂げた天才がいる。AGNEのうちの一人ガリレオ・ガリレイである。彼は熱心なキリスト教徒でありながら、どうしても譲れない点があった。それは宗教と科学は違うということだった。だが、異端者として扱われ有罪となり幽閉された。そのまま家に戻ること無く1642年に彼は死去することとなった。

異端者扱いされた彼の葬式が許可されたのは1737年のこと。さらに彼の裁判が誤りであったことが認められたのは1992年のことである。そこでようやく彼の名誉は回復したのである。

ガリレオの話題から考えたいことは2つある。1つは「歴史を学ぶとことで色々なことが見えてくる」ということ。もう1つは「自分の考えを曲げない」ことである。そういう姿勢を身につけてこれからの学校生活を送ってほしいと思う。


平成29年度[2017年度]

第68回卒業式 校長式辞

「2つの言葉」

卒業生の皆さん、卒業おめでとう。今から4年前十日町高校に入学した際、皆さんに2つの言葉を語りかけましたが覚えていますか。今日もまた人生の大切な極意となる言葉を紹介したいと思います。

1つは新渡戸稲造の言葉「武士は武人である前に、まず人格的に優れた人間であらねばならない」です。どれほどの富と社会的地位を得たとしても、人格的に優れた人間であらねばならないことを忘れてはいけません。

2つ目は徳川家剣術指南役、柳生宗矩の言葉「小才は、縁に出合いて縁に気づかず。中才は縁に気づいて縁を活かせず。大才は袖すり合うた縁をも活かす」です。縁や幸運をつかみ取るには、常日頃からこつこつと努力し、準備をしていなければならないということです。

これからの人生は楽しく、嬉しいことばかりではありません。かえって辛く苦しい事の方がずっと多いと思います。皆さんはこれからいろいろな場所で、いろいろな仕事で、いろいろな立場で生きることになりますが、どこに行っても、どんな仕事についても、そしてどんな立場になっても、人格的に優れた人間であらねばならないことを忘れてはいけません。縁や幸運への準備を怠ってはいけません。社会のため、世の中のために生きることを忘れてはいけません。

これらの2つの言葉を紹介し、私からのはなむけの言葉とします。


平成29年度[2017年度]

3学期終業式 校長講話

「アイザック・ニュートン」

今年度は天才「AGNE」について話してきたが、今日は3文字目の「N」だ。超天才と言われた彼だが、頭脳明晰さとは裏腹に、性格の方は卑屈で暗い人間だったらしい。敵対心を抱いた相手には徹底的に闘ったという。

けれど望遠鏡を作り、さまざまな法則を発見したという偉大さには目を見張るものがある。色々な人との出会いの中で、彼の類い稀な才能を周囲の人たちが見い出し、彼もまた自身の才能に気づいていった。世界の人間に最も影響を与えた人物をアメリカのニュース雑誌「TIME」が発表しているが、ニュートンはイエス・キリストを抑え、堂々の2番手に位置づけられている。

私は3月で退職となるので「E」のアルバート・アインシュタインの話はできないが、彼について書かれた本は多く出版されているから読んでみて欲しい。「特殊相対性理論」についてじっくりと時間をかけて読むのも良い。本を読むことで多くの知識を得ることができる。これを機に本を読んで知識の獲得をしてもらいたい。
〜The last message from Shigeyuki Suzuki
.〜